豊橋中央製乳のアイスクリーム
「豊橋うまれののんちゃんあいす」などで知られる愛知県豊橋市に本社を構える中央製乳のアイスクリーム事業が順調なようです。売上高は前年比1.5倍の5億6000万円に達し、新たな成長の柱となっています。この成功の裏には、いくつかの鍵となる取り組みがあります。
牛乳からアイスへ:新たな挑戦
中央製乳は元々牛乳の製造・販売を中心に展開していました。特に学校給食用の牛乳では愛知県内で約半分のシェアを持つ実力派。しかし、少子化の進行で牛乳市場の将来は不透明です。そこで、同社はアイスクリーム事業に目を向けました。「これからは暑くなる一方だから、アイスの需要が増える」と考え、アイスクリーム事業に本腰を入れることにしました。
第一食品の買収とアイス事業の拡大
アイス事業を強化するために、中央製乳は新潟県の老舗アイスメーカー、第一食品を完全子会社化。これにより、モナカやバータイプのアイス、かき氷など、多彩なジャンルの製造・販売が可能になりました。これまでの業務用アイスに加え、第一食品のノウハウを活かして商品の幅を広げました。
海外市場への進出と成功
売上が急増した背景には、海外市場への積極的な進出があります。台湾やシンガポールなどのアジア圏を中心に販路を拡大し、シンガポール航空の機内食に採用されるなど国際的にも評価されています。さらに、UAE(アラブ首長国連邦)など中東市場にも進出し、新規注文が増加中。生産が追いつかないほどの需要に応えるため、生産能力の向上や設備投資を検討しています。
地元との協力:どうまい牛乳アイスモナカ
近隣の愛知みなみ農協と共同で生産する「どうまい牛乳」を使用した「どうまい牛乳アイスモナカ」もヒット。この商品は「愛知たはらブランド」として認定され、地元での販売が好調。今後もシリーズ商品が予定されており、地域密着型のブランド戦略が成功しています。
未来への展望
これから中央製乳は、生産能力の向上や製造工程の合理化に向けた設備投資を進め、さらなる売上増を目指します。同社の挑戦は、地域企業が新たな市場で成功を収める好例となっており、今後の展開にも期待が高まります。