どうも!アイスマン福留です。
今回は、高知県のレトロなご当地アイスを紹介します。
横畠冷菓『ブラボーアイス』
昭和40年代から50年以上にわたって製造・販売されている、高知県佐川町(さかわちょう)の横畠冷菓が手がけるロングセラーアイスです。
横畠冷菓
このアイスを製造・販売する横畠冷菓は、昭和20年前半に創業した高知の老舗アイスメーカーです。
自転車での行商からスタート
創業当初は、自転車の荷台にブリキ製の保冷箱を載せてアイスキャンデーを行商していたとのこと。その後、昭和40年代に入り、高知でおなじみ「アイスクリン」を作り始めました。この頃、さらに、子どもたちにもっと喜んでもらおうと、当時まだ珍しかった「チョコレートコーティング」と「当たり付き」を考案し、商品化したのが「ブラボーアイス」です。一時期、イチゴ味のコーティングバージョンも発売されましたが、チョコレートほど売れず、数年で販売終了となりました。
横畠冷菓のアイス
今回ご紹介している「ブラボーアイス」以外にも、横畠冷菓では土佐の味を楽しめるアイスを多数製造・販売しています。たとえば、「よさこいアイス」や「地乳あいすもなか」、さらには「ゆずと文旦」や「メロンシャーベット」などが特に人気です。最近では、アレルギーの方にも安心して食べられるように、卵やミルク類を使用しない「シャーベット」や、地元の素材を活かした商品も展開しています。
ブラボーアイスのロボットキャラクター
パッケージには、昭和の雰囲気を感じさせるロボットのイラストが描かれ、スリーセブンが揃ってアイスが3本大当たりしているビジュアルが特徴です。このブラボーアイスには当たりくじが付いており、大当たり(777)が出ると3本もらえる仕組みです。この時点で既に懐かしさを感じますね。「ブラボーアイス」という商品名も、イタリア語で「すばらしい!」「みごとだ!」という意味の賞賛・歓呼の言葉(ブラボー:bravo)に由来しています。このネーミングも昭和らしいレトロ感があります。
777で大当たり
ブラボーアイスは、スティックに「7」の焼き印があったら1本、「77」なら2本、「777」(大当たり)なら3本もらえます。
3本当たりは昭和アイスの定番スタイル
この、当たりくじ付きで、大当たりだと3本もらえるシステムは、昭和時代に流行した定番のスタイル。例えば、1981年に発売されたフタバの「ワン・ツー・スリー」、カネボウの「立たされん坊」、1982年の雪印「スロットアイス」、そして1983年の「じゃん坊けん坊」などもこのスタイルを採用していました。実際には、3本当たってもアイスが溶けるので困ることもありましたが、子供にとって当たり付きアイスは夢のような存在であり、3本もらえる大当たりの価値は、少し大げさかもしれませんが大人が宝くじに当たることに匹敵するほどの喜び?! だったのです。
現代において、「ブラボーアイス」のような昭和の3本当たりくじシステムを採用しているアイスは、もはや絶滅危惧種と言えるでしょう。また、OKIMEIブランド(沖縄明治)の「1・2・3ソフトコーン」など、現在でもこの昭和の「3本当たりシステム」を継承しているアイスも少数存在します。
昔のブラボーアイスのパッケージ
左から古い順に並べたもの。右端が現行パッケージデザイン。一番左の(初号機?)ロボットも、いい味を出してます。
ブラボーアイスを、高知佐川町内のスーパー(サンシャイン)で購入。
外側のチョコレートコーティングは、昭和のチョコアイスバーといった感じで口に残るタイプ。これがまた昭和感があっていい!
吉本乳業の地乳(ぢちち)牛乳を使用
真っ白なアイスは、ラクトアイス規格でシャクっとやさしい歯触り。素朴な味ですが地元の吉本乳業の地乳(ぢちち)牛乳が使われています。地乳とは、町内の酪農家4軒が飼料にこだわり仁淀川流域で育った乳牛からとれる牛乳のこと。低温殺菌で製造され牛乳独特の臭みがなく濃厚なのが特徴です。そのおいしさを生かすよう余計な材料は加えず、なるべくシンプルな素材で作られたアイスバーです。そのため、溶けやすいのですが食べたときの口溶けの良さと後味が良いのもブラボーアイスのこだわりの一つ。
ほとんどが手作業で丁寧に作られている
ブラボーアイスの製造方法は、まず金型にアイス原料を流し込み、一本ずつ棒を差し入れます。その後、冷やし固めて金型からアイスを引き抜き、チョコでコーティングします。そして、再び冷やし固めた後、袋詰めを行います。この工程のほとんどは手作業で丁寧に行われています。レトロなビジュアルでシンプルなチョコアイスバーですが、こだわりがたっぷり詰まっています。
ブラボーアイスは、高知県佐川町内のスーパー(3店舗)や県内の観光施設、さらにふるさと納税のサイトなどでも購入可能。ご興味のある方は、ぜひ一度 手に取り、高知に根付いたこのご当地アイスを味わってみてください!