どうも!アイスマン福留です。
今までにない代替乳製品として、デンプンを主原料としたプラントベースアイスが日本に初上陸したので、さっそくご紹介します。
エクリプスフーズ『eclipseco(エクリプスコ)クッキーバター』
「世界を変えるアイス」というビジョンを掲げて、牛乳を使用せず、全て植物由来の新しいアイスが日本初上陸。現在、伊藤忠商事との協力により、東京都内のファミリーマート(一部店舗除く)約100店舗で先行販売が行われています。牛乳を使わない植物由来の“乳製品”(代替乳製品)というと、豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクがよく知られていますが、このアイスの主成分は「デンプン」。科学的に牛乳の成分を研究し、ジャガイモやキャッサバ、トウモロコシなどから作られ、乳製品の味を忠実に再現した100%植物性(プラントベース)のアイスです。昨年(2023年)、ブルーボトルコーヒーとの期間限定コラボレーションでこのアイスを知った方も多いかもしれません。
ミシュランシェフが開発
エクリプス・フーズの共同創業者の一人であり、ミシュランレストランでシェフを務め、権威あるJames Beard Rising Star Chef賞に2度ノミネートされた実力の持ち主、トーマス・ボウマン氏が開発を担当。
カラフルなパッケージデザイン
パッケージには「NON-DAIRY FROZEN DESSERT」(非乳製品フローズン・デザート)という文字が記されています。カラフルで、海外のアイスを彷彿とさせるポップでキュートなデザインカラーです。
今回は、米国でも人気が高い「クッキーバター」、「チョコレート」「マンゴーパッション」の3種類のフレーバーを発売。
エクリプス・フーズ・ジャパン
この会社は、米国カリフォルニア州から発祥したスタートアップ、エクリプス・フーズの日本法人でリッチでクリーミーなプラントベースの代替乳製品を提供しています。同社は、共同創業者兼CEOのエイロン・ステインハート(Aylon Steinhart)氏と、共同創業者兼CTOのトーマス・ボウマン(Thomas Bowman)氏によって立ち上げられました。2人の手により、乳製品と見分けがつかないほど、クリーミーでなめらかな100%植物性アイスが誕生。
海外のアイスクリーム屋は仲良し共同創業が多い
エクリプス・フーズ社も2人の共同創業者によって立ち上げられましたが、海外のアイスクリーム業界ではこのような仲良し2人による創業の話がよく見られます。日本で「B-R サーティワン アイスクリーム」として親しまれている「バスキン・ロビンス(Baskin-Robbins)」や、「ベン&ジェリーズ(Ben & Jerry’s)」、「ホブソンズ(Hobson’s)」など、これらのブランドはアイスクリームを愛する2人が協力して始めたというストーリーが、王道のパターンとして定着しています。さらに、「ハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)」の創業者もご夫妻であり、彼らも2人でビジネスを起こした例です。
今回は、同ブランドの代表作であり、1番人気のクッキー&バターをご紹介。種類別はプラントベースなので氷菓になります。
カップをとると、さらに真っ白な内蓋が貼られています。無地で特にデザインはされていません。
プラントベースアイスの新潮流
プラントベースアイスと聞くと、「アーモンドミルク」「ココナッツミルク」「オーツミルク」「ライスミルク」など、多様な植物性ミルクが存在しますが、日本市場においては一番馴染み深い「豆乳(SOY)」を使用した製品が一般的でした。クラシエは2008年から「Soy(ソイ)」シリーズを展開し、更にその前身であるカネボウフーズ時代の2004年には「I.V.(アイベジィ)」という商品も発売しています。近年では、ハーゲンダッツの「GREEN CRAFT」や「クーリッシュ Green」などが市場に登場しています。
アーモンドミルクを使用した製品では、グリコが「アーモンド効果アイスバー」を、ココナッツミルクを使用した製品ではフルッタフルッタが「ココナッツミルクサンドアイス」を過去に発売しています。また、来週からは森永製菓が植物性ミルクを使用したプラントベースアイスの新たな試みとして、「OKOMETO(おこめと)」を発売予定です。健康意識の高まりと共に、体と地球環境に優しいプラントベースフードへの関心が高まっており、各社が開発に力を注いでいます。日本のアイスクリーム市場にも、プラントベースアイスの波が着実に広がっていることは明らかです。
スプーンを差し込むとやや硬めで、空気の含有率(オーバーラン)が低いプレミアムアイスクリーム特有の感触。
主原料はデンプン
牛乳を使用したアイスクリームのように、クリーミーで滑らかです。シナモンやジンジャーの香りが口の中でふわりと広がります。甘さと旨みが凝縮された濃厚な味わいは、まるでピーナッツバターを味わっているかのようです。甘さの中に微かな塩味が加わることで、クッキーを彷彿とさせる味わいと食感を生み出しています。とにかく食べ応えがあります。この濃厚でクリーミーな味わいが100%植物由来であるとは…。最初にデンプンを主原料としていると聞かされなければ、牛乳を使ったアイスクリームと間違えてしまうかもしれません。ただし、必要以上に粘り気のある食感が苦手な人もいるかもしれません。
原材料を見ると、その革新性が改めて感じられます。乳製品を使用していないため、法的な分類では氷菓となります。製造は、MUJI(無印良品)のアイスクリームや、HiO ICE CREAMのパートナー工場としても知られるカワイコーポレーションとの協力により、国内で行われています。
サステナブルなアイスクリーム
プラントベースの代替乳製品であるエクリプスコは、植物由来の成分で作られた、人体、地球、動物に優しいアイスです。牛乳を使用したアイスクリームと比較して、CO2排出量を最大65%削減できるとされています。しかし、酪農家の立場からは、一概に優しいとは言えない側面もあります。
価格はハーゲンダッツ並み
内容量90mlで、1個あたりのカロリーは250kcalです。価格は325円(税込)で、プレミアムアイスクリームを代表する「ハーゲンダッツ」とほぼ同じ水準。健康意識が高い人には適していますが、そうでない人には、この価格はやや高いと感じられるかも。
海外ブランド、日本市場への挑戦
アメリカで最も売れているプレミアムアイスクリーム「ベン&ジェリーズ(Ben & Jerry’s)」、同じくアメリカ発の有名アイスクリーム店「デイリークイーン(Dairy Queen)」、そして「全米人気No.1」と称されるオーガニックアイスクリームブランド「スリーツインズアイスクリーム」は、残念ながら日本市場から完全撤退しています。「コールド・ストーン・クリーマリー(Cold Stone Creamery)」は日本進出時に大きな話題を呼び、店舗数を増やしましたが、現在は事業規模を縮小し、国内に5店舗(2024年3月現在)を残すのみとなっています。
徹底したローカライズが成功の鍵
独特な文化を持つガラパゴス化した日本のアイスクリーム市場において、「Baskin-Robbins」や「ハーゲンダッツ」といった海外発のアイスクリームブランドが日本市場に定着した歴史を振り返ると、成功の鍵は徹底した「ローカライズ」にあると言えるでしょう。日本市場への新たな参入は厳しい挑戦ですが、乳製品を使用しない新しいプラントベースのアイスクリームは、乳アレルギーのある人々にとって魅力的な選択肢になりえます。エクリプス・フーズ社には、ご褒美感とサステナビリティを兼ね備えたこの製品を定着させていただきたい。その進化に引き続き注目していきたいと思います。プラントベースのアイスに興味がある方や、試してみたいと思っている方は、ぜひ「エクリプスコ」をお試しください!
アイスマン福留でした!Have a ICE day !!