夜アイス
アイスクリームを夜にも楽しみたいというニーズの拡大に伴い、深夜営業を行う「夜アイス」の専門店が急増しています。元々、札幌の「シメパフェ」の文化から影響を受け、コロナ禍において「夜アイス」が新たな夜のアクティビティとして注目を集めています。
一部の店舗では「夜パフェ」として提供されていますが、ソフトクリームをメインに提供する店舗は「夜アイス」と名付けています。
ネオンサインなどを使ったフォトスポット
「夜アイス」店の特徴として、シンプルな内装に、ネオンサインなどを使用したフォトジェニックなスポットが設けられています。夜にアイスを楽しむという背徳感が、仕事後や飲み会の後の〆としてなど、さまざまなシチュエーションで愛されています。特に、夜の普段は飲みに行かない層の人たちが、友人やパートナーとちょっとしたイベント感覚で「夜アイス」を楽しむケースが増えています。
ビジネス的にもソフトクリームは意外と参入障壁が低い。そんなところも、夜アイスブームを加速させた理由のひとつだ。「夜アイス」ではソフトクリームを使った商品が主流になる。ソフトクリームはアイスクリーム類製造業の許可の取得が不要であるため、開業の敷居も低く、この手軽さが、FC展開などを促進し、店舗数の拡大に寄与していると考えられます。
夜アイス専門店
夜アイス専門店 は、以下のようなお店がある。「21時にアイス」、「19時のGohobi(いくじのごほうび)」、「月曜からアイス」、「Maison de Sweets」、「good knight ice(グッドナイトアイス)」、「アイスるんです」、「アイスは別腹」など。
夜アイスのはじまり(いつから?)
シメパフェの文化は、北海道・札幌の歓楽飲み屋街「すすきの」から始まった。飲んだ後の〆としてラーメンの代わりなどにパフェを提供するお店が協力することで「札幌シメパフェ」を作ったのがきっかけとされている。パフェに使われるソフトクリームやアイスクリームには当然北海道産の牛乳が使用される。なのでどのお店で提供されるパフェもクオリティが高い。札幌にあるスイーツ店の多くが夜には閉まってしまう中、深夜までスイーツが食べられる「シメパフェ店」は観光客にとっても重宝される存在になった。
2015年9月に「札幌シメパフェ」というサイト開設され、たくさんのメディアに紹介され、東京にも「シメパフェ」という言葉が届くほどになった。開設当初は「カフェタバーン エブリデイオリーブ」「ダイニング&スイーツ シナー」「スイーツバー・Melty」「FAbULOUS」「MIRAI.ST cafe」「Dip&Merry」「山猫バル」「ouchi」8店舗が加盟。その後、数年で東京のほか、大阪、名古屋などの大都市で徐々にお店が増え、今では知名度も全国規模となった。
「夜アイス」の火付け役は「21時にアイス」だ。2020年に大阪・八尾市に1号店をオープンしている。店名に「アイス」を使ったことで、夜パフェから夜アイスというキーワードが浸透していったと考える。
大阪と京都に展開する「夜行アイス」、兵庫・板宿の「アイスるんです」、兵庫・姫路の「アイスは別腹」など、続々と夜パフェ・夜アイスの店が登場している。
同店が店舗数を増やした2021年から2022年にかけて、「夜アイス」というキーワードが随分浸透したイメージだ。
夜アイス専門店「月曜からアイス」などがある。
ソフトクリームミックスのグレード
夜パフェ、夜アイスの特徴は、パティシエが作る本格派のデザートもあれば、既成のソフトクリームミックスを使って提供するものもある。現在流行っている夜アイスのお店は、むしろ後者のほうが多い。規制のソフトクリームミックスにも「グレード」があり、上質なものを選べば十分おいしい。しかし、そこをケチってグレードの低いものを使っているお店も少なくないのが現状だ。
夜アイス文化は浸透するか
一過性のブームで終わらずに北海道のシメパフェのような文化をつくるためにも、夜アイスを提供するお店は、高いグレードのソフトクリームミックス(日世でいえば「ソフォーレ」、「北海道ソフトクリーム」、「ロイヤルバニラ」あたり)を使っていってほしいものだ。深夜でもおいしいアイスが楽しめるお店が増えることは非常に嬉しい。